2016/12/29
トラックを解析し、最適なEQ/compを提案する前代未聞なミックスツール、iZotope Neutronが発売されました。
iZotopeと言えば必携マスタリングツールであるOzoneなどを発売して有名ですよね。
そんなiZotopeから今度は、任意のトラックを解析し、ボーカル、ベース、ドラムなど相応しいEQポイントとコンプのセッティングを自動的に提案してくれるといった凄まじいプラグインが登場しました。
これまでなかなか決まらなかったこれらのパラメーターが予め決まることによって、初心者は迷いが減り、プロはより早い作業が可能になります。
一部では革命とまで言われていますね。
ちなみにミキシング〜といったタイトルに関してはこおろぎさんのブログの受け売りなのですが…笑
さらに今後の展望を紹介し、なぜ3.0なのかご説明します。
トラックを解析し自動で適切なコンプとEQをかけてくれるプラグインエフェクト「Neutron」でミキシング2.0の時代へ
必携マスタリングプラグインOzone
今回、自動化ミックスプラグインが登場し、「自動でマスタリングしてくれるプラグインも出てこないかなあ」と考えていたところ、
iZotopeには看板商品である、OZONE 7が存在します。
今回のNeutronの発売は、自動化マスタリングに対応したOZONE 8の発売へ繋げるフラグではないかと読んでいます。
むしろ次期Ozone 8には自動解析マスタリング機能付いてるとかってアレかな?Neutronはその伏線?Ozoneプリセットとかもただのプリセットじゃなく、自動解析した上でのプリセットになるのかな?iZotopeさん期待ししゃす!
— 前田ユウキ[療養中] (@YUKI_MED_) 2016年10月12日
iZotopeはフラグ立てが好き?
今回のNeutronの発売に先駆けて、実はつい先日に無料プラグインである『Neutrino』が配布されていました。
このプラグインは任意のインストゥルメンタルを選んだ後、ツマミを上げると自動で最適化してくれるというミックスプラグイン。
名前も含め『Neutrino』からの『Neutron』発売というのは面白い流れではありますよね。
実際『Neutrino』が配布されてからというもの、世の中のDTMer界隈にかなりの注目を集めていました。
自動マスタリングツールが出た未来
OZONEはマスタリングに必要なプラグインをまとめた総合マスタリングツール。
OZONE 7では近年トレンド?なアナログ感を付与させる為、Advanced版ではアナログ系プラグインも追加になりましたよね。
もし将来的なOZONEが自動マスタリングに対応すると凄まじい事が起きます。
まず、現在のOZONEのプリセットは沢山入ってはいるのですが、あくまで決まった固定の設定であるというだけの事。
これが自動化要素が加わると、例えばVocal Popというプリセットを選べば、その曲に合った最適なVocal Popなマスタリング設定にしてくれるでしょう。
そしてたとえ多少の微調整は必要であっても、全てのトラックにNeutronを挿入し、
マスターにOZONEを挟めば全く知識の無い初心者でもかなりのクオリティーを維持できるようになるかもしれないという事。
いや、今の精度で多少足りなかったとしても、どんどんこういったものの精度は上がっていきますので、
将来的にはそれだけでOKな音源が出来るようになる可能性はかなり高いです。
ミキシング3.0の世界
こおろぎさんが提唱したミキシング2.0…
デジタルDTM環境が普及して誰もがDTMで楽曲制作が可能になった事を1.0とするならば、
デジタルAI側が判断して設定を提唱し人間との共生を始めるのが2.0。
と、するならばデジタルAIが中心に全てを統括管理し、人間はあくまでそこに微調整を加えるようになる時代への突入がミキシング、
いやDTM 3.0への突入ではないでしょうか。
実際すでに自動化の波は沢山の面で浸透してきています。
例えばLogic pro Xに入っているDrummer機能。
自動で勝手にドラムフレーズを作ってくれます。
これの凄いところは、ちゃんとセクション毎に区切って、例えばイントロ曲始まる前にはドラムのフィルを入れてくれたり、小節の最後で手数増やしたり、静かな場所では静かにしてくれたりと空気を読んでくれます。
もちろんプレイスタイルだったり手数だったり細かい部分は微調整する事も出来ますし、細かく後でMIDI編集する事も可能。
新しい機材を試しながら。ドラムはlogicのdrummerでKOMPLETEの音源を鳴らして。ギターとベースはkemper。サビのシンセっぽいのはFUZZ FACTORYの発振音。全部ラインと打ち込みでこの音像が作れる現代、バーチャルとリアルの境界線はぼやけてる。 https://t.co/jHv3jK1J66
— 高野寛 (@takano_hiroshi) 2016年9月20日
↑で公開されている音源
こういった自動系ツールは近年かなり出てき始めています。
それ以前の時代を生きた人にとっては「なんだよそれ畜生」と思うかもしれませんが、
世の中進むにつれどんどん便利になり、便利なものが浸透して当たり前になるのは、文明の押し寄せる波を『はしか』と例えた福沢諭吉の『脱亜論』と同じで抗えないものですよね。
一昔前では「デジタル感」がどうのだとか「アナログ感」がどうのだとかといった論争や批判はありましたが、
最近ではそれぞれの良い部分の認知が進み浸透し、「アナログ感」でさえ一つの音作りとしてOZONEやその他ミックスプラグインにメインの一つとして組み込まれてきています。
微調整をするしないに関わらず、自動化されたミックスツールであるNeutronや、OZONEではその設定を見るだけでもミックス等の勉強になったり、抑えておきたい帯域等の気づきに繋がります。
iZotopeが先行という形で、今後はこういった自動系ツールは制作において、他者に先行する為の必須なアイテムになっているかもしれませんね。
iZotope バンドル
ちなみに自分はOZONE 7を所有しているのですが、iZotopeのツールバンドルである『Music Production Bundle II 』が発表され話題になっています。
今回の記事で触れたOZONEやNeutronに加え、オーディオ修正・ノイズ除去プラグインや、ボーカルモジュレーション総合ツールみたいなのも含め全部入りで入っているので、捗りそうでその内ゲットしちゃってそうです笑