2019/04/27
音楽スタジオや音楽室などで使用されている吸音材。
部屋の反響や、さらには防音問題で悩んでいる方は多いかと思いますので、
今回はそんな遮音・吸音材に関しての解説、吸音材・遮音材・防振材などのオススメグッズ、貼り方などをご紹介していきます。
吸音&遮音とは?
空気から伝わる音への対策には『吸音』と『遮音』の2種類があり、目的によって使い分ける必要があります。
いわゆる『防音』目的には、“音を遮ってしまう”遮音が必要であり、
お風呂場やホールなどで声が反響してしまうような状況を想像してみると分かりやすいような音の反響に関しては“音を吸収してしまう”吸音が必要です。
防音・遮音するには……
音を完全にシャットダウンしてしまうのはなかなか難しい問題ではあります。
遮音に一番効果的なのは、コンクリートのような固くて重い素材が隙間なく周りを囲んでいる事。
なので完全にコンクリートで作られた部屋や地下室などは防音に強いと言えます(ライブハウスなども地下が多い)。
賃貸マンションなどでの防音性に関しては、「鉄筋コンクリート>鉄骨>木造」といった形になり、
ある程度まともな防音を期待する場合、鉄筋コンクリート造の部屋に住むか、隣人の家と余裕のある一軒家に住まないと厳しいかと思います。
さらに、防音は高い音に関してはやりやすいですが、低域になるほど難しくなってきます。
爆音で音楽聴いてる車が近くを通るとキックやベースの低音がやたら突き抜けてきますよね。
部屋の中だと壁や床が振動してしまうかもしれません。
ただ、防音・遮音に簡単で効果的な対策もいくつかあり、
それは隣の部屋との間に本棚やタンスなどを置いたり、防音カーテンを用意するなどもありますが、
一番は『隙間を無くす事』。
いくら間に硬い素材があっても、少し隙間があるだけでどんどん音が漏れていきます。
そういった遮音に適したグッズも紹介していきます。
吸音するには……
上記の遮音では硬い素材が必要とありましたが、
逆に吸音の部分で言えば、硬い素材は音を反射してしまうので反響を大きくしてしまうと言えます。
音の反響が少ない状況、いわゆる“デッド”な環境というのは、「音楽を聴く」という面では用途によって求められるものが違い、
例えば音楽を楽しむ目的のリスニングオーディオでは余計な反響を抑える部分と共に、あえて部屋の反響を大きくする素材を使用する事により響きを良くしたりします。
逆に音楽制作などのモニターオーディオの場面では、余計な反響があると元々の素材の音を聴く事ができなかったり、余計な振動などで細かく鳴っている音が正確に判断できなかったり、その他部屋鳴りなどによって判断が狂ったりしてしまうので、
デッド具合に関しては多少の意見の違いはあったとしても、基本的にDTM環境などでの吸音材は“必須”になります。
なのでとくにモニター環境下において“理想の環境”というのは、『硬い素材で囲まれた部屋(遮音)の内側で、音の反響が抑えられる素材(吸音)がある事』。
この状況下の中であれば、「音が遮音されている(防音)&部屋の中で余計な音の反響が少ない部屋」という事になります。
ちなみに吸音材には、遮音効果はありません。音は突き抜けてしまいます。
なので、吸音材を壁に貼っても、隣人などへの防音効果を期待する事は難しいです。
ただ、想像してみてほしいのは、
ホール内で声が大きく響いている状況の中と、吸音材が貼られた部屋の中では音の感じ方が全く違うという事。
前者では捉え方によっては『うるさい』と感じる性質のものであり、
後者は限りなく『静かだ』と感じるかと思います(主に中にいる状況下での話ではありますが)。
ここで吸音するにはについてですが、
まず一つ目は家具を置いていく事。
部屋が一番反響する状況は、引っ越ししたばかりなどで部屋に家具が一切無い状況で、
遮音性の高い鉄筋コンクリートの部屋などではとくにガンガン反響します。
ただこれはベッドやカーテンなどの家具を置いていく事によりかなり反響は収まります。
もう一つは吸音材を貼る事。
家具設置のみで満足のいく吸音は難しいですが、
吸音材を適所に設置していく事により、一気に無駄な反響は抑えられ、喋り声などもタイトになりますので、
部屋の中にいて『静かだ』と感じられます。
オススメの防音・遮音グッズ
音を遮る、遮音・防音グッズの紹介です。
Loobani スキ用テープ 気密 窓 ドア 隙間 すきま パッキン 防音 防風 防虫 D型 (ブラウン) (玄関ドアや窓用)
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防音に一番重要なのは、音の隙間を無くしシャットダウンする事。
部屋によっては玄関ドアや窓に大小の隙間があり、そのままにしていると音がどんどん漏れていきます。
さらに隙間を無くす事によって虫の侵入対策や、隙間風遮断による冷暖房効率のアップにもかなり期待できます。
筆者の玄関ドアは、気密性が高く開ける時に結構重くなるほどに空気が密閉されているのですが、それでも一箇所光が差し込むような角があったので、
通常の使い方とは少し違いますが、角を塞ぐように設置。
通常の貼り方はこういった形↓(筆者の玄関は他の部分は完全に密閉されていたので、そうじゃない人はこのように使いましょう)
ニトムズ ドア下部シールテープ 透明 1mm×40mm×920mm E0401 (室内ドア用)
室内ドアは基本上や下などに、結構な隙間がありますよね。
玄関から一つドアを挟むタイプの部屋は、これによって玄関方向への音漏れを大幅に改善が期待できます。
・レビュー
■ haruhisa ★★★★★
外に音ももれなくなった。
寒いのが入ってこなくなったのと、音も入ってこなくなったので
これは、早く買えばよかった。
みんなのアドバイス通り、まずはマスキングテープを貼ったうえで、
その上に張りました。
■ チョコラ ★★★★★
おすすめです。
ブラウンタイプを以前より使っていて、
トイレのドアの下が隙間が大きいので、匂い漏れなどが気になって、
追加で、透明タイプのこの商品を買いました。
ブラウンも気に入ってるのですが透明もいいですね。
隙間テープの中では断トツおすすめです。
本格派 防音カーテン BOUON STYLE オーダーカーテン
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防音・遮音をするには完全に空間を密閉する必要があるので、カーテンではある程度限界がありますが、
それでも特に高域に掛けての効果はあった方が見込めるかと思います。
さらに、そういった密閉という観点から考えても、しっかりとサイズにあったカーテンを設置する事が重要なので、オーダーカーテンでちゃんとサイズを合わせればより効果が見込めるかと思います(工夫によっては密閉も出来るかと思いますし)。
このカーテンを選んだポイントとして、
生地自体の高い遮音効果や部屋にあったサイズをオーダーできるという部分だけでなく、
個人的には漏れ出る直射日光や紫外線も嫌だったので、光が透けない遮光1級(遮光率99.99%)という性能も良かったです。
こちらは窓だけでなく、ベランダ窓用にも購入。
audio-technica インシュレーター 4個1組 AT6091 (防振材)
オーディオテクニカの防振ゴム。
こちらは通常のスピーカーのインシュレーターというより、大音量でスピーカーを鳴らした時に低音が床を振動させる力を弱める遮音用途で、
スピーカースタンドの下に設置。
結果的には遮音/吸音/防振という形になっているかと思います。
いくら遮音がされていても、低音で床などが振動してしまうと、鉄筋コンクリートのマンションといえど響いてしまい近隣トラブルに繋がる可能性があります。
ただ防振をしたいだけであれば、布団の上などにスピーカーを設置すれば床は振動しないで済みますが、それだと非音楽的な悪影響が強いので、
AV対応のこちらの防振ゴムを選定。
・レビュー
■つんちゃん
★★★★★ 低音が改善。
低音の押し出し感を損なうことなく、引き締まった低音に改善。全体的に音場がクリアになった印象に。ブーミーな低音に悩まされている方にお勧め。
■じじい
★★★★★ なかなかの優れもの
スピーカーはONKYOD-77MRXを使っています。
低音が締り、音像がくっきりしたと思います。
今はさらに土台にコンクリートを置き(庭のベランダの土台に使っていたブロック)その上にこの製品を置いて
スピーカーを載せています。床にガンガン響いていた低音がほとんど感じなくなりました。
スピーカーそのものの純粋な音が聞けていると思います。
ズンズン・ボワンボワンしていた音が、きりっと引き締まり例えれば、ブラウン管TVから4Kまではいかないにしても液晶TVに
変わった位の変化を感じています。お勧めです。
オススメの吸音材
音の反響を抑える、吸音グッズの紹介です。
mini-SONEX
mini-SONEXの吸音材は、手頃な値段でモニター環境に求められる十分な吸音性能を持っており、ずっと愛用しています。
2枚じゃ足りないと思うので、オススメの買い方はまずは10枚入りを購入し、その後必要枚数に応じて買い足す形。
吸音材の貼る箇所としては、
スピーカーなどがあればその背面や横方向の壁、音が溜まりやすい部屋の角や、
手を叩いてみたり「あッー!」と叫んでみて反響するようなポイントなど。
適所に貼っていけば、貼り終えた後かなり部屋の音環境が変わっている事を実感できます。
より小さい箇所にも合わせて吸音材を貼りたい場合、↑のようなより小さく安い吸音材を組み合わせてみるのも良いかと思います。
※吸音材を貼る際は、下記で紹介する両面テープとマスキングテープを使用してください。
防音フェルトボード 吸音パネル45C (30×30cm)
インテリア重視な吸音材。
断熱材を兼ねているので夏は涼しく、冬は暖かくと、冷暖房効率アップや玄関の結露対策も期待できます。
筆者の家ではこれを玄関など、玄関先の外から見える箇所用に設置
何故かというと、ここの場所は玄関開ける度、外から見えるので、
そこに一般の人から見てたいそうな吸音材を貼っていると、
「あのお宅、玄関に吸音材を貼るくらいだから相当普段音楽流してるんじゃないか?」
と変な先入観を持たれてもやだなという理由(このタイプであれば断熱材みたいなの貼ってるくらいにしか思われないかと思います)。
まあ別に、玄関から部屋を覗いて部屋に吸音材が貼ってるくらいなら全然いいと思いますけどね。どのみちスピーカー云々も見えるでしょうし。
この吸音材買ってみて、吸音性能自体はmini-SONEXなどより落ちるかと思いますが、
断熱や見た目的にもいい感じなので玄関ドア用に追加と、色違いで玄関入ったすぐのインテリア箇所にいくつか追加したいと思っています。
激安ですし笑
吸音材は遮音効果は無いとはいえ、玄関辺りの反響を抑えタイトにするだけで、上階になるほど玄関先の風切音なども強く、
外の人に音が分かりにくい結果的な防音効果も期待しています(筆者宅は防音重視で部屋を選んだので、そもそも玄関に耳を付けない限り音は聴こえないようですが)。
吸音材・遮音材などを貼る方法。おすすめグッズ
賃貸などでは壁は傷つけられないので、吸音材などを貼るのにも注意しないといけません。
一番良いのは下記のような両面テープとマスキングテープを組み合わせるやり方。
まず吸音材に両面テープを貼り、その上からマスキングテープを吸着面を壁側になるよう貼り合わせます。
マスキングテープを使う事により、壁にテープ跡を残す事なく安全に貼り付ける事ができます。
ちなみにマスキングテープは様々な色がありますが、色によってとくに性能は変わりません。
ニトムズ はがせる両面テープ 強力接着用 20mm×20m T3920
カモ井加工紙 マスキングテープ mt CASA 50mm 50mm幅×10m巻き マットホワイト MTCA5086
先程紹介したmini-SONEX 10枚入りを購入した場合、両面テープとマスキングテープ2つずつは購入した方が良いです。
箇所や貼り方によっては吸音材が壁から外れやすい場合もありますので、その場合は貼るテープを増やす事によりしっかりと壁にくっつける事が可能になります。
最後に
防音などでの近所トラブルは結構シビアな問題かと思いますが、
吸音材や遮音材を使い部屋を好みの音環境にしていくのは結構楽しいかと思います。
今回の記事を参考にして、楽しいお部屋生活をエンジョイしてみてください。