2017/12/16
ボーカルレコーディングの際はコンプやプリアンプの掛け録りを行います。
様々な意見はもちろんありますが、基本的には音量レベルのピークに当たってしまわないように、
ボーカル録音ではコンプの軽い掛け録りは必須だと言われています。
実機で掛け録りするメリットとしては、プラグインと違ってレイテンシーが完全に0で動かせるという事や、実機の方がより良い効果を期待できるという事、その後のミックスがやりやすくなる、等さまざまなメリットがあり、
今回はそんな実機モノラルコンプレッサーに焦点を当ててご紹介していきます。
※追記※2017/12/16 ディストレッサー
Contents
dbx 160A
PAでは特に鉄板機材だったようでかなり有名。
レコスタのラック機材や、ベーシストのラックなんかにもよく見かける事が多い。
ボーカルや楽器類など割とオールマイティーに使えるみたいですが、アタック等の設定はなくこの辺りは自動的に調整されます。
2つ用意する事により、ステレオでドラムのレコーディング等にも使う事が可能。
掛け録りコンプはピークが当たってしまわないようにレベラー的な要素が強いので、こういったざっくりと設定できて良い効果が期待できるコンプはかなり使えそうですね。
PAでよく使われていたというのもそういう部分が大きく要因にありそうです。
このコンプは安価な価格ながら1Uのラックだったり、メーターも見やすく、評判も良いのでまずは気軽なラック型コンプレッサーにおすすめ。
SUMMIT AUDIO TLA50
LA-2Aコピー系で、かなり有名なTLA100というラック型コンプをハーフサイズに小型化した製品。
TLA100は20万近くの価格帯なのでそう考えるとかなりコスパは良さそう。
とくにLA-2Aにはなかったアタックやリリースを大まかに設定できるのは良いですね。
真空管内蔵でウォームかつナチュラル、プリアンプ的にアナログ色を加えてくれるようで評判高いです。
> SUMMIT AUDIO ( サミットオーディオ ) / TLA50 / サウンドハウス
GRACE design m102
同社チャンネルストリップのm103からコンプのみを抜き出した製品。
m103は20万を切る値段ながら評判も良く、失敗はしないかと思います。
見た目もスタイリッシュなのがいいですね笑
ただ新しい製品だからかまだあまりネットにはレビュー等無かったり。
Golden Age Project COMP-54
NEVE2254をモデリングしたコンプレッサーでかなりコストパフォーマンスが良い製品。
同社製品ではNEVE1073のプリ部をモデリングしたプリアンプのPre-73もかなり良くてオススメ。
このNEVE2254というコンプレッサーを調べてみると、WAVESのV-COMPとモデリングが同じなんですよね。
このCOMP-54は試聴しているとかなり音は良いのですが、個人的にV-COMPはちょっと使いにくい印象があるので少し躊躇う部分…V-COMPが好きで上手く使いこなせているという人はかなり良いかと思います。
FMR AUDIO RNC1773 (Really Nice Compressor)
多方でかなり評判いいのでおすすめの小型コンプ。
とくにスーパーナイスモードがかなり自然にしっかりコンプを掛けられるので、実際のスタジオ等でも見かけますし、20万以上のラックコンプに匹敵すると言われています。
一つだけ残念なのはXLR端子に対応していない事。
どの道もしコンデンサーマイクを使うならマイクの電源取る為にプリアンプ等を挟まないといけないんですけどね。
値段もかなり安い上に、設定もかなり自由に動かせて、どこでも評価が高く定番商品として使われているので非常にオススメ。
ボーカル録りにはこっちよりもdbxの方が向いているという意見も。
ノーマルRNC1773・RNC1773 Eバージョン・RNC1773 BACK to BLACKのバージョンがあり、少しグレードが上がっていきます。
UNIVERSAL AUDIO 1176LN
大定番Urei 1176系コンプの正規現行モデル。
日本のプロのスタジオでは大体このコンプが置かれており、
20万少しオーバーする値段ではあるが、結構アマチュアの個人が所有している事も多い機材。
海外のスタジオではどちらかというとTeletronix LA-2Aコンプの方がよく使われているようですが、そちらはアタック等の調整が無くヌルッとした掛け心地で、
値段も40万近くします。
もちろん海外でも1176と使い分けられており、
1176もLA-2Aも各社モデリングプラグインが沢山出ているので実際に使ってみてみると良さそうですね。
ちなみに海外サイトのコンプレッサーランキングでは、LA-2Aが1位、1176が2位に選ばれています。
Warm Audio WA76
先述の1176をクローンコピーしたコンプ。
様々な会社から1176系をコピーしたようなラックコンプは出ているのですが、基本的に大体20万近くするところ、このWA76は5〜7万円台という破格の値段。
ここまで安く出来た理由は人件費削減や、パーツの大量発注大量生産、宣伝費用を掛けないといった事で実現したようです。
モデリングしたモデルは1176の中でも評価の高いUREI 1176 (Rev.D)のタイプ。
見た目や操作感が全く同じなだけでなく、使っているパーツ等もほとんど同じみたいです。
電源は100VのACアダプターですし、音は値段相応という人もいればかなり評価が高かったり。
本物の1176より多少ドライブしやすいようなので、より現代的な音楽との相性が良さそうです。
個人的にはドライブしやすいという部分で、実際にボーカル録りを自分で行った場合、どこまで録り音で気になるかという部分は気になっています。
1176はどこのスタジオにも置かれていますし、見た目的な部分でも(笑)かなりそれっぽさが出るので、1176好きはこの値段なら試してみるのも良さそうですね。
UNIVERSAL AUDIO LA-610 MKII
UNIVERSAL AUDIOの名機610プリアンプとLA-2Aコンプが合わさったもの。
10万後半でこの二つが手に入ると考えたら、とくにボーカル録りでかなり良いかもしれません。
UNIVERSAL AUDIO APOLLO TWIN
UNIVERSAL AUDIOのオーディオインターフェイス(現行はMKⅡ)
最近Apolloが凄く人気で、あのPerfumeやきゃりーぱみゅぱみゅ等を手掛けた中田ヤスタカさんもApollo Twinに最近乗り換えていました。
これがあればUADプラグインが動かせる上、ほぼゼロレイテンシーで1176やNEVE 1073など様々な高品質なプラグインを掛け録りできるのでかなりおすすめ。
中田ヤスタカさんも現在ボーカル録りは大定番NEUMANN U87マイクとApollo Twin(NEVE 1073等の掛け録り)だけで行っているようです。
モニターの音はRME等と比べると若干モニターライクな音ではないという意見も聞きますが、プレーヤーとかにはそちらの方が受けが良かったりも。
SOLOやDUOというのはDSPの処理性能。
掛け録りだけでも少し余裕を持ってプラグインを使いたいならDUOがいいかと思います。
まとめ
実機コンプはレコーディング時の掛け録りだけに使うか、
その後のミックス等でも積極的に使っていくかで製品や予算が変わってきそうです。
デジタルプラグインのコンプだと設定もどこにすればいいかめちゃくちゃ悩んだりしますが、こういったアナログ系コンプ(及びアナログモデリングプラグイン)は大体設定する値が決まっていたりとシンプル操作で簡単に良い結果を得る事が出来るのがいいですね◎
自分は1176モデリングのコンプを使って、コンプを学んでいく事が出来ました。
実機コンプを探している方はぜひご参考に