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ミックスにおける削除すべき帯域・ローカットハイカットEQ編【DTM講座Tips】

      2018/07/27

IMG_3252今回はミックスのEQ操作で一番重要なカットする帯域。
割と最初は上げる事ばかりに意識がいきがちですが…上げるより重要なのが下げて住み分けをしっかりする事。
カットすべき帯域をカットせずにぶつかったままだと、非常に不明瞭なミックスとなったりその音が邪魔となり音圧も上げられなかったりします。

なので今回の記事ではローカットハイカットによるざっくりとカットすべき帯域について説明していきます。

フィルターについて(EQ)

EQで帯域カットに便利なのがハイパスフィルターとローパスフィルター。
少しややこしいのですが「ハイパスフィルター」とはハイをパス(通す)するフィルター…つまりローをカットするEQの事。(上記画像:HP)
逆にローパスフィルターはローをパスするフィルターなのでハイカットするEQの事。(上記画像:LP)

上記画像ではハイパスとローパスを掛けているので、元音の黄色の線に比べ、フィルターを通した後の音の青い線が減衰しているのが見て分かります。

大体のEQには上記のように左右両端にハイカットローカットの設定があるかと思いますが、フィルター専用EQなどもあります。

これらはプラグインだけでなく一般的な部品として各種販売サイト(RSコンポーネンツ)などでも販売もされており、
厳密にはローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタの3タイプがあります。


バンドパスとは特定の帯域のみを通す…つまりはローパスとハイパスを組み合わせたモノ。

DTMの際の使用フィルタープラグインとしては、
私は普段利用しているLogic proに付属しているハイパスローパスフィルターが音の変化が少なくカットでき使いやすいのでバッサリさせたい時に愛用しています。
スクリーンショット 2016-04-09 13.22.10 WAVESであれば入門バンドルGOLDにも入っているサムネQ10がカット用EQに向いており、
SSL 4000のようなコンソールがある場合ローカットハイカットフィルターが付いているので便利。

ボーカル

男性
48Hz ~ 150Hz以下をカット
女性
80Hz ~ 180Hz以下をカット
(極端な例としてはfripSideのインタビューでは女性ボーカルのローカットを300Hzまでバッサリカットしているとの意見も)

ボカロの声
300Hz辺りまでカットしてる事がよくあります。
さらにローパスフィルターで10kHz以上をカットすると甘く丸く優しい声になるのでカットした上でEXCITER等でハイの倍音を上げても良い結果になります。

ギター

130Hz前後(80~180Hz)以下をカット
(MS処理できるのであればさらに最後のマスター処理でサイドのEQを~120Hz以下をカット)
重心重めにするのであれば80Hzから下をバッサリカットする形でも◯

よく勘違いであるのがCD等で聴こえるサウンドでギターの音とベースの音をごっちゃにしてしまっているパターン。

さらにローパスフィルターで12kHz~16kHz以上をハイカットしたり、
ギターにディエッサーを掛けてギターの汚いハイ成分を落としたりもよくされます。
(ハイを落とす事により相対的にギターも太く丸く聴こえます。)

ベース&キック

ベース
0~50Hz以下カット
キック
0もしくは ~30Hz以下カット

2MIXのEQ処理で一番難しい部分の一つが低域の処理。
基本的にはベースとキックの住み分けになります。キックが下かベースが下か…といった選択肢はありますが、
キックが下(60Hz辺り)ベースが上(120Hz辺り)になる事が多いです。
ケースバイケースではありますがアナライザーを通してみて使っているキックやベースの音が60Hz付近と120Hz付近どちらが上がっているか見てみましょう。
役割が決まれば上記の場合、
キックの60Hz辺りを少し上げ120Hz付近を少し下げる。
ベースの60Hz辺りを少し下げ120Hz付近を上げる。
といったように住み分けをしていきます。

キックとベースだけを聴きながら音がぶつかっていないか、アタックが重なって両方が鳴っている箇所ですっきり聴こえるか等チェックしてみると良いです。

ベースは240Hz辺りや400Hz辺りを軽くEQで抑えてやっても◯。

スネア

100~250Hz以下をカット

200Hz以上になると好み。
太さを選ぶか軽やかさを選ぶか…等を考えて調整してみよう。
あとは10kHz辺りを少しブーストするだけで使える音になりやすい。

タム

迫力重視であれば0もしくは入れても80Hz辺りに留めておく。

さらに700Hz付近の中域をEQで広めに少しカットしてやっても◯。

その他ウワモノ~サイド

大体100〜120kHz以下はカットしてキックやベースの為に上げておいた方が良いです’。

まとめ

今回はざっくりとカットしていく帯域について説明しました。

人によって色んな意見はあるかと思いますが、今回の説明は実際のプロのエンジニアの意見を元に作成しており、
他には有料プラグインに入っているエンジニアプリセットを見て参考にするのもいいかと思います。

同じローカットでも、EQによってカーブが違うので、
そういう狙いでない場合はデジタルEQでバッサリさせてしまうより、アナログモデリングでカットした方が効きが緩いので安全かもしれません。

次回EQ編ではCDと違ってなんかガチャガチャしてる…といった悩みを解決できるCD音源に近づける為の超即戦力なEQプリセットをご紹介する予定です。

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